1976年夏、イギリスのエルストリースタジオではある映画が制作されていた。多くのアメリカ人とイギリス人俳優たちが、クレイジーなコスチュームとヘッドギアを着込み、“ジョージ・ルーカス”ユニバースを埋め尽くした。彼らのほとんどが映画の内容も知らず、今後この作品が映画史に燦然と輝き、世界中のカルチャーに多大なる影響を及ぼすことなど想像もしていなかった。 本作のジョン・スピラ監督は、そんな彼らを探し当て、彼らが作り上げた不思議なコミュニティーに辿り着き、これほどまでの社会現象の影に生きる彼らを調査したのであった・・・。
『エルストリー1976 -新たなる希望が生まれた街-』は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の中に登場するキャラクターたちのマスクの下、ヘルメットの中に隠された“中の人”たちに焦点を当てたドキュメンタリー映画である。
本作は「Anyone Can Play Guitar(原題)」のスタッフが贈る長編ドキュメンタリーの新作である。ジョン・スピラ監督はまたもや、社会現象となったポップカルチャーに深く関わった人々に焦点を当てている。
本作ではオリジナルのスター・ウォーズ トリロジーでコスチュームやユニフォームに身を包んだ英国人キャラクター俳優のコミュニティーに取材。彼らは皆、様々な異なった経歴の持ち主であり、その後それぞれユニークなキャリアと人生を歩むこととなった。これは、決してスター・ウォーズのメイキングを描いたドキュメンタリーではない。スター・ウォーズは単純に彼らに共通する事柄なだけであり、本作のスタート地点である。
時に役者が演じるキャラクターが演者自身よりも有名になり、世界中で知られることがある。本作はそんな彼らの視点から見た映画業界、映画制作の現場、そして役者業を描いている。ポップ・カルチャーの社会現象がどのように生まれ、どのように人々の記憶に残るのか、またその現象の一端を担うという事がどういうことなのかを探っていく。大ヒットハリウッド映画を生んだイギリス映画業界と、そこに居合わせた役者たち自身が一番重要なテーマとなっている
誰もダースベイダーの中にブリストル出身のバウンサーが入っているなど想像もしていなかっただろう。ボディビルダーの経験もあるデイヴは、役者としての道を選び、すぐにスタンリー・キューブリックやテリー・ギリアムなどの大物監督と仕事をするようになる。その後、パーソナルトレイナーとして、自身のジムを経営している。
ジェレミーは役者として長く幅広く活躍することとなる。「Billy Bunter(原題)や「暴力の門」などに若くして出演し、幾つかのティーネージ・ロッケンロール映画でクリフ・リチャードやビリー・フューリーなどと共演する。そして、バウンティ・ハンターのヘルメットを被り、彼のキャリア上一番の大役を演じることとなる。
パムはイギリスのバッキンガムシャーで育ち、元々は料理人を目指していたが、1960年代はモデルやダンサーとして活動する。映画エキストラとしての仕事を始めたのはたまたまだったが、未だ現役を貫き通している。カジノでの仕事を多くこなしていた彼女は、モス・アイズリーのようなワケありの悪人の溜まり場に見事に溶け込んだ。
デレックは数多くの大作で小さな役を演じている。インディ・ジョーンズ シリーズ、ジェームズ・ボンド シリーズ、スーパーマン シリーズなどから、「シャイニング」、「ビクター/ビクトリア」、「銀河伝説クルール」など、数え始めたらきりがない。だが、彼の活躍はそれだけに留まらず、音楽写真家としてシェイン・マガウアンの初めての写真を撮り、マーヴィン・ゲイとは友人としての付き合いをするほどの仲に。スター・ウォーズでは同じシーンで二役演じている。
ジョンはスター・ウォーズのワンシーンにだけ登場している。エキストラとしての最初で最後の仕事であり、彼はこの経験を25年間誰にも話していなかった。
カナダ生まれのギャリックは、6歳から演技を始め、10代の頃にはトロントでラジオ番組の司会を経験している。その後、数々の舞台の他、なんと116本もの映画やテレビ番組に出演している。そして未だに映画やテレビに出演し続ける彼は尊敬に値する。そんな彼は、デス・スターを破壊するべく出動したヘルメットを被った髭面の男として知られている。
60年代70年代のポールは、舞台役者、映画俳優として着実に実力をつけていく。1970年代にはRoyal Court TheatreでシェイクスピアとProustを演じている。完全に顔の隠れたマスクでスター・ウォーズに出演した彼は、常に周りから同じ質問をされている。「Who Shot First?」。
映画業界に入る前までの60年代70年代、ローリーはモデル兼ミュージシャンとして活動していた。彼は様々なテレビ番組にエキストラとして出演しており、スター・ウォーズでもストームトルーパーとして幾つものシーンに出演している。最近では音楽活動をしながらコメディ映画の脚本を執筆中だ。
自動車セールスマンだったアンガスは、60年代に俳優になるため仕事を辞めている。イギリスに渡りLAMDAで学び、その後ノーマン・ジュイソンの「ローラーボール」に出演している。その後、「ナバロンの嵐」「刑事ジョン・ブック/目撃者」「ジャッジ・ドレッド」「アイズ ワイド シャット」などで記憶に残る演技力を発揮している。その演技は、小さい役ではあったが、スター・ウォーズでも発揮されている。
ミュージシャンだったアンソニーは、俳優になるため70年代にロンドンへと渡る。小さなナイトクラブで演奏しながら、リドリー・スコットのコマーシャルなどに出演する。その後、彼は「鷹は舞いおりた」「バレンチノ」など、多くの大ヒット映画にも出演することとなる。スター・ウォーズでは、非常に良い役を獲得したのだが、残念ながら彼のシーンは編集でカットされてしまう。だが、彼が演じたもう一つの役で、誰もが覚えているあのセリフを言うこととなる。
ジョン・スピラは、「Anyone Can Play Guitar(原題)」というミュージック・ドキュメンタリーで長編映画監督デビューを果たす。RADIOHEAD、FOALS、RIDE、SUPERGRASS、SWERVEDRIVERなどを生んだ小さな街に関するドキュメンタリーだった。Scottish Film Schoolを99年に卒業した彼は、脚本家としての才能が認められ、TVシリーズの脚本を手掛けることに。その後の彼は、DVDレンタル店をオープンし、非営利ワークショップで映画製作の講師を務め、ミュージック・ビデオを何本か監督した後、長編映画2作目の本作を監督することに。
地域 劇場名 公開日
京都 立誠シネマプロジェクト 2017年4/8(土)〜4/21(金)
東京 新宿武蔵野館 終了
神奈川 シネマ アミーゴ 終了
大阪 シネマート心斎橋 終了
愛知 名古屋シネマテーク 終了
兵庫 神戸アートビレッジセンター 終了